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そのスピード、ちょうどいい?
 
 昨年の夏、はじめて蒸気機関車いわゆるSLというものに乗りました。もともと乗り物 が好きな私なのですが、SLはかなり心地よい時間を過ごさせてくれる乗り物でした。
旅行をしたり、帰省したり、ちょっと遠い街へ買い物に出掛けたり...。乗り物を利 用する機会ってよくあると思いますが、見渡すと“目的地に早く到着する”ことをい つも最優先に考えて移動手段を選んでいる人がけっこういるみたいですね。もちろん、 急いでいるときは私もそうしますが、時間を気にしなくてもいいのなら“目的地まで の道のりを楽しむ”乗り物を選ぶ私。新幹線で1時間半のところ、わざわざ鈍行で6時 間の旅なんてしょっちゅうです。そんな長い時間、いったい何をしているの?とよく 聞かれるんですが、まあ、特別なことは何もしないですね。音楽聞いたり読書したり、 連れがいるなら一緒にミニボードゲームなどをしたり。あと、途中下車して温泉に入 るなんてこともします。

  SLに乗ろうと考えたのも、目的地まではかなり遠回りだけれど乗ってる間も楽しそう だと思ったから。実際に乗車してみると、思った通り楽しい!私は退屈することなく 時間を過ごし、列車はずんずん走りつづけました。私はそのうち、いつも以上に心地 よくなっている自分に気がつきました。どうもそれは、移動するスピードが源のよう。 SLはガタンゴトンと小気味よいリズムを刻み、けっして早いとは言えないスピードで 山の中を走り抜けていく。それは身体にとっても意識にとっても無理のない、とても 自然に空間を移動するスピードでした。

 私はふと、新幹線に乗るといつも感じる違和 感を思い出しました。それは、なんとも落ちつかない感覚。身体も意識も後からやっ とついてくる感じ。空間の移動スピードが早すぎたんだ...。 便利なこと結構。文明の力などの恩恵にあずかり、人の生活が豊かになっていったこ とも事実です。でも、自分で自分にあったスタイルや環境をそのときどきに合わせて選んだりすること。それって大切なことだわ、とあらためて感じることができたので した。
2004/02/10
 
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