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二人きりのピースウォーク
 
 3/21、全国的に戦争反対のデモがありました。以前参加した「WORLD PEACE NOW」のピースウォークも、この日行われるということはサイトをチェックしていたので知っていたのですが、どういうわけか今回は乗り気になれない...。そんなとき、前回一緒に歩いた友人からピースウォーク開催前日に「明日、行く?」というお誘いの連絡をもらいました。何となく乗り気になれないことと、この日はちょっとした仕事を入れていたこともあったので「今回は行かない」という返事をすることにしました。ところが、返事をしようとメールをうちながら、ふと思いついてしまったのです。この日の仕事というのは、代官山→渋谷→表参道→青山→六本木→恵比寿のコースにあるお店をほぼ歩いてまわるというもの。私はピースウォークをしたくないわけじゃない。ただ今回のタイミングで“大勢で歩く”ことに参加するというところが、今一つピンとこないだけ。「そうだ、ひとりでバッチとかつけて歩けばいいんじゃん。仕事しながらピースウォーク。しかも連休初日の若者の街。」私の中でとてもしっくりした答が出ました。その旨を連絡すると、友人から返事が。「それ、私も参加していい?」もちろんOK!私たちはハートの形のWORLD PEACE NOWバッチをそれぞれつけて歩いたのでした。

 街はどこも賑わっていました。友だち同士で買い物する人やデートしているカップルなどなど、人出も相当です。そんな中、私たちは声をあげるでもなく、ただ目立つところに小さなかわいいバッチをつけて街を普通に歩いています。ほんとに普通に。そのバッチに気が付く人もいれば、気が付かない人もいる。気が付いてくれた人は、なにやらハッとしているようにも見えます。大勢で歩くことは数でアピールしたり、連体意識をもつというためにも良い方法だと思います。タイミングがあえば私もまた参加したい。でも、こうして人々の日常に何の気負いも無しに入り込んでいくことも、また一つの方法なのではないか。デモ行進を風景のように眺める人たちと同じ場所に私たちがいることで、彼らにとって今まで風景でしかなかったものがとたんに身近なものになるのではないか。それはとてもインパクトのある、しかし静かなアピール。私はそう感じたのでした。そして、これは今日の私にぴったりのスタンス。

 私たちはお昼過ぎからのんびりぶらぶら、ウィンドウショッピングしたり途中でお茶したり、もちろん私は仕事もしながら長い長い距離を歩きました。すべての予定が終わったのは陽がとっくに沈んだ夜8時少し前。二人ともくたびれていたので、最後にお茶をしてたくさん話をして解散しました。私はひとり帰り道で思いました。静かな声に響いてくれた人はどれくらいいたのだろう。でもそれは、大勢で歩いたときにも思ったことでした。

 私は想像してみました。もし、街の中で普通に暮らしながら自分の意志をアピールしている人がたくさんいたら・・・買い物しながらピースウォーク、デートしながらピースウォーク、通勤・通学しながらピースウォーク。普通に暮らしながらピースウォーク。知らない人同士「僕もそう思うよ」とすれ違うときにちょっと思ってみたりする。なんか、それっていいじゃん。

***一緒に歩いてくれた友人に感謝。ほんとサンキュー!***
2003/03/23
 
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