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参りました!
 
 ホワイトセージというハーブがあります。ちょっとスパイシーな匂いのするハーブです。私はこのホワイトセージのドライタイプのものを入手して、お香のように火をつけて部屋の空気を変えたり、石の側に置いたりしてよく使っています。ネイティブアメリカンの人々の文化にはこのホワイトセージが薬として、また儀式には欠かせないアイテムとして日常的に登場します。私は昔から彼らの文化にとても興味があって、このハーブに出会ったときはほとんど反射的に手にとっていました。

 先日、私がよくエッセンシャルオイルを買いに行くお店でセミナーがありました。セミナーの題名は「北米ロッキー山脈に息づくインディアンハーブ」。"もう行くしかないでしょう"と思いウキウキドキドキしながらお店にむかったのでした。
 セミナーでは、講師をされた方が訪れたアメリカ北部ロッキー山脈、イエローストーン国立公園での話が中心でした。この土地は、ネイティブアメリカンの人々が現在の居留区に移るまで暮らしていたところです。
このイエローストーン国立公園には、ロッジポールパインというマツ科の木があり、この森の植物の80%をこのロッジポールパインがしめているんだそうです。この木は250〜300年くらいで成熟し、松かさから種を出すのですが、松かさの外側についているワックスが高温で溶けない限り種を放出できない、つまり山火事がおきなければ種の保存ができないという植物。"じゃあ、山火事がずっとおきなかったらこのロッジポールパインは滅んでしまうのでは・・・" 。そうなんです。しかし、山火事はちゃんおきるんです。なんと、この木がある程度成熟したころで、山全体が乾燥した時期に落雷があって山に火がつく、ということまでが、この山の生態系に入っているんです。すごすぎる・・・。ずいぶん昔にテレビで森の生態系の話をやっていたんですが、そのときに聞いた「森にはどんな生物にも役割があり、無駄なものはない」という話を思い出しました。そのとき私は、そんなシステムを作り出している大きな力に驚き、人間の小ささを思い知ったのでした。このロッジポールパインの話を聞き、あらためてそんな大きな力に「参りました!!」と叫ぶとともに、そんな大きな力を認識しながら文化を作り上げてきたネイティブアメリカンの人々に、あらためて畏敬の念を抱きました。そして、さらに彼らの文化に興味が湧いてきたのでした。

 世界中に自然保護や種の保存をしようという活動があります。これらの活動はいいことだし、大切だと思います。でも、所詮人間が考えるプラン。雷までが生態系の一部となり山ひとつを生まれ変わらせるような自然の力、このシステムを作り上げている大きな力には到底及ばないんだろうな、と思うのでした。
2000/05/27
 
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